プログラミングの進め方
ScratchJrをかなりマスターして人向けに、少し複雑なゲームを作ってみたいと思います。
空からトカゲが降ってくるゲームを教える人・作る人の条件
このページの対象読者は、ScratchJrを子供に教えようとしているお父さん、お母さんです。
教えるために必要な条件は以下となります。
- スマートフォンが使いこなせる
※操作の名前が理解できていること(例:タップ、スワイプ等) - ブロックの機能が8割以上理解できている
- ScratchJrを40分以上操作したことがある
上の条件を満たした人は、このページを見ながら自分でもこのゲームを作ってみましょう。
このプログラミングを作るお子さんの条件は以下となります。
- ScratchJrのアクティビティが全て終わっている
- ブロックの機能が8割以上理解できている
- ひらがな・カタカナが書ける
この条件に当てはまらない人は、教える人も教えられる人も、
アクティビティから始めてみましょう。
アクティビティに関しては、スクラッチジュニアのホームページを参照してください。
空からトカゲが降ってくるゲームの教え方の手順
空からトカゲが降ってくるゲームの演習は、次のように進めてください。
- 空からトカゲが降ってくるゲームの要件を伝える。
- 好きに作らせる。
- 子供から質問があったら、適宜回答する。
- 全く手が進まないようであれば、何が分からないのか聞いてみる。
- 完成したゲームの動画を見せる。
- 子供がさらに修正したそうであれば、好きにやらせる。
- プログラミングは正解が1つではないので、最後に必ず褒める。
空からトカゲが降ってくるゲームの要件を伝える
最初にやることは、これから作るプログラムの要件を伝えることです。
要件とは、どんなプログラムを作るかです。
もっと具体的に言うと、空からトカゲが降ってくるゲームは
どういうゲームかを伝えます。
次のことを伝えましょう。
- 道路を車が走っています。
- 車は端から端まで5回動きます。
- 空から椅子、トカゲ、机が落ちてきます。
- 落ちてきた物が車にぶつかったらゲームオーバーです。
- 車にぶつかる前にタップすると、落ちてきたものは消えます。
- 落ちてくるものにぶつからず、車が端から端まで5回進めたらクリアです。
これを説明してもイメージが湧かないようでしたら、この段階で動画を見せてしまってください。
成功パターンの動画下の動画です。
失敗パターンの動画は下の動画です。
好きに作らせる
子供にイメージが湧いたならば、飽きるまで好きに作らせましょう。
その間、以下のことに気を付けてください。
- 子供から質問があったら、適宜回答する。
- 全く手が進まないようであれば、何が分からないのか聞いてみる。
完成したら動画を見せる
完成したら、上の動画を見せてください。
これを見て、子供は何かを感じるはずです。
さらに自分なりに作るようであれば、好きに作らせましょう。
頃合いを見て、うまく動いてないところがあれば、教えてあげましょう。
そして、最後に褒めてください。
空からトカゲが降ってくるゲームの作り方
それでは、実際にこのプログラムの作り方を説明します。
背景を選ぶ
最初に背景を選びます。
画面上部の背景の変更アイコンから、背景を選択します。
「こうがい」という背景を選びましょう。
この「こうがい」という背景は、車を走らせる上で、前にある木が邪魔になります。
この木を消したいので、タップして「こうがい」を選んだら、
編集マークをタップして、編集しましょう。

木を削除するために、切り取りツールをタップした後
削除する木をタップしましょう。
木が消えた後は、チェックマークをタップして決定してください。

キャラクターを選ぶ
最初に必要のないねこを消してください。
次にキャラクターエリアの+マークをタップして、キャラクターを選びます。
選ぶキャラクターは、まるいす、てーぶる、とかげです。


ここで、てーぶるとまるいすは、このままだと大きさも大きすぎますし、
てーぶるの向きも地面と平行になって、落ちてくる雰囲気が出ません。
まず、てーぶるの大きさを小さくしましょう。
ちいさくするブロックを使ってください。

大きさは下の図と同じぐらいにしましょう。

丁度良い大きさになったら、編集して傾きをつけましょう。
キャラクターエリアの編集マークをタップして、
ペイントエディタを起動します。

回転ツールをタップしてから、指でてーぶるを傾けてみましょう。

チェックマークをタップして、決定しましょう。
まるいすも同じように大きさを小さくして、傾きも変えましょう。
同じように、とかげも追加します。
とかげは少し大きいので、小さくしましょう。
最終的に、以下の図のような感じにします。

最後にくるまというキャラクターを追加します。

くるまも少し大きいので小さくしましょう。

プログラム開始時点の位置にキャラクターを配置する
各キャラクターをプログラム開始時点の位置に配置しましょう。
各キャラクターの位置は分かりにくいので、グリッド表示にします。

車を以下の位置に移動します。
縦:5
横:1

テーブル
縦:15
横:5
とかげ
縦:15
横:12
まるいす
縦:15
横:17
以下の図のように配置されると思います。

クリアとゲームオーバーのページを作る
ページを2つ追加して、クリア用のページとゲームオーバー用のページとしましょう。
背景は適当に選びましょう。
私は、とりあえずピンク色にしてみます。
この背景に「クリア」という文字を入れます。
文字の追加アイコンをタップします。

下の図のようにします。

ゲームオーバーも同じように作ってください。
ゲームオーバーは黒い背景にしてみました。
以下のようなイメージとなります。

各キャラクターのスクリプトを書く
各キャラクターのスクリプトを書きましょう。
くるまのスクリプト
くるまは次の動きをします。
- 車は端から端まで5回動いたらクリア
- 他のキャラクターにぶつかったらゲームオーバー
くるまの要件を満たすようにスクリプトを書くと、下の図のようになります。

てーぶるのスクリプト
てーぶるの要件は以下です。
- 上から落ちてくる
- 落ちてくる場所は毎回変わる
- タップされたら消える
- タップされるか下まで落ちたら、次のてーぶるが落ちてくる
これを子供が理解するのは、ちょっと難しいかもしれないです。
理解できない場合は、そのまま真似させてしまってください。
感覚的には、小学校3年生ぐらいでないと完全な理解は難しいかもしれないです。
では、やっていきましょう。
まず、てーぶるはどこから落ちてくるか分からないようにしたいです。
ゲームをやっている人からすると、どこからともなく突然テーブルが現れて、
いきなり落ちてくるようにしたいです。
だから、最初からテーブルは姿を消しておくことにしましょう。
みためブロックの中のけすブロックを使います。
キャラクターを消す場合は、見えなくなってしまうので
一時的に、みためブロックをプログラミングスクリプトエリアにドラッグして、
タップして、てーぶるを見えなくしましょう。

ここからテーブルが落ちてくるスクリプトを作ります。
次のようにすると、いきなりてーぶるが落ちてくるように見えます。
- 右に動きます。
- てーぶるが姿を現します。
- 下に落ちます。
- 下まで行ったら、姿を消します。
- 姿を消したまま上に上がります。
- 1から5を繰り返します。
これをスクリプトにすると次のようになります。

実際の動きは以下の動画のようになります。
分かりやすいようにキャラクターはテーブルだけにします。
次に、タップしたら下まで落ちないようにします。
- タップしたら姿を消します
- プログラム開始時点の場所に戻ります。
- 通常の処理(プログラム1)に戻ります。
スクリプトは次のようになります。

この中で難しいのは、初めの場所に戻るブロックでしょう。
これでプログラム開始時点の場所に戻るのは分かると思います。
ブロックが消える処理がないのではないか?と思いませんか?
これはなくて大丈夫なんですね。
初めの場所に戻るブロックはブロックを最初に場所に戻すだけではなく、
ブロックの状態も最初に状態にします。
つまり、最初の時点で消えていたブロックは、初めの場所に戻るブロックを通ると
消えるのです。
これでてーぶるのスクリプトは完成です。
最大の難関は乗り切りました。
とかげとまるいすのスクリプト
とかげとまるいすのスクリプトは、てーぶると基本的には同じです。
違いは、以下です。
- キャラクターの開始する位置が違う。
- メッセージを送るブロックとメッセージを受け取るブロックの色が違う
- 落下してくるタイミングが違う
これら違いを出すためには、とかげとまるいすには以下の作業をします。
- プログラム開始時点で姿を消すようにする。
- てーぶるのスクリプトをコピーする
- メッセージをおくるブロックとメッセージが来たらスタートブロックの色を変える
- 落ちるタイミングを変えるために、移動する距離を変える
姿を消すようにするのは、けすブロックですね。
下の図のようにして、とかげとまるいすを消しましょう。

次のてーぶるのスクリプトをコピーします。
コピーはてーぶるのスクリプトをキャラクターにドラッグします。
下の図はまるいすにコピーする方法ですが、とかげも同じようにやってください。

次にメッセージを送るブロックとメッセージが来たらスタートブロックの色を変えましょう。
以下のようにします。
とかげ :赤
まるいす:青
以下はとかげの例です。

このままだとみんな同じタイミングえ落ちてきてしまうので、落ちるタイミングを変えましょう。
キャラクターの右へ動くブロックの距離を変えます。
現時点では、みんな8マスになっているはずです。
以下のように変えましょう。
とかげ :12マス
まるいす:18マス

これで完成です。
うまくできましたか?
スクラッチジュニア はタフツ大学のDevTech研究グループ 、MIT メディアラボのライフロング幼稚園グループ、プレイフルインベンションカンパニー の共同制作です。
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